こんばんは!
前回は「食物アレルギー」についてフォーカスして記事を書きました。
復習っぽくなりますが、もし飼っているペットが、
・顔の周りが赤くなる
・糞便回数が通常より多い
・肛門回りが赤くなる
といった症状があるなら食物アレルギーの疑いがあります。
あくまでも獣医師のもとで確定診断をしてもらうことがベストです。
本日は「食物アレルギー」と診断後のペットフード選びを考えていきましょう!
前回の記事を読んでない方は、こちらからどうぞ♪
本記事を読むことで、下記の2点の疑問に対して理解できるように書きます。
- 食物アレルギー推奨のペットフードはどれ
- 食べる期間はどれぐらい?一生食べるの?
獣医師から処方されるペットフードは市販で売られているものと何が違うの?
価格も高いし、理由が明確じゃなきゃ嫌だという人向けの記事を書きます。
食物アレルギーに関しての知識が深まったあと、次はペットフードの知識を向上しましょう。
私は動物関連の会社で約5年務めています。
業務の中でペットフードの栄養学アドバイザーの資格を習得し、動物病院で日々セミナーを行っております。
毎日、動物病院に出入りしているからこそ、どのような食事が良いのかが分かるものです。
世の中の信憑性がない情報に左右されるのはなく、本当にいい情報だけを推奨します。
■本日のテーマ
Contents
【獣医師推奨】食物アレルギー用ペットフード
食物アレルギー用のフードの考え方
前回の記事に食物アレルギーの基本的な考え方として
「未消化のたんぱく質に対して体がアレルギー反応を起こす」と明記しました。
つまり、考え方の柱となるのは「タンパク質」の厳選です!
したがって、解決策として以下の2点を考えれば良いです。
①未消化のたんぱく質→消化の良いタンパク質を使う
②タンパク質に体が反応する→食べた事がないタンパク質を使用する
②については「新奇タンパク食」という考え方です。
新奇タンパクとは…
「人生おいて食べたことがない食材のタンパク質」のこと。
「人生において」と明記してあるので、人によって新奇タンパクの種類は変わります!
例えば、「ラム肉」を食べた事がある人と、ない人がいるとします。
食べた事がある人にとっては「ラム肉」は新奇タンパクにならないのです。
あくまでも食べたことがないことが前提になるので、この場合は「ラム肉」を食べたことがない人にとって「新奇タンパク」になります。
我々のからだは、全く食べたことがない食材のタンパク質に対して、食物アレルギーの反応を起こしづらいという考え方があります。
つまり、「人生において食べたことがないであろう食材」を検討し用意すればいいのです。
巷でうわさになってる話題で、ドッグフードで「ラム肉」が良いって聞いたことないですか??あの話は、単純に犬は羊を食べたことがないから良いって事です。
考え方は理解して頂けましたか?
まとめとして覚えてほしいポイントは
①消化性の高いタンパク源の厳選
②新奇タンパク源を選ぶ
の2点です!
この記事を読んで理解をしたら、自宅にあるペットフードの裏側に記載している製品情報をみて、何のタンパク質を使っているのかを見てみましょう♪
アレルギーの発症と治療の考え方
食物アレルギーを回避するには、タンパク源を厳選が大事というところまでは理解出来ましたか?
次にアレルギーの発症と治療の一連の流れを紹介します。
上記のように、食べ物のアレルゲンが体内に侵入すること「炎症」が起こり「発症」します。
では新奇タンパク源を使った場合はどうでしょうか?
なんと発症がなくなります!
アレルギーとなる食材を食べなければそれ以降の「炎症」や「発症」が起きません!
この流れをやるために「除去食試験」を行うのです。
原因の回避には「除去食試験」を行い、発症しづらい環境下を整えることが大事です。
除去食試験の流れ
「除去食試験」の流れを考えてみます。
基本は「アミノ酸食」でスタートをします。その結果をみて次のフードを判断します。
図の通り除去食試験を実施すると
①「症状が改善」
②「症状が一部改善」
③「症状の改善が見られない」
以上の結果がでます。
①・②の場合 症状が改善しているor一部改善なので…食物アレルギーが関わっていると診断
③の場合 症状に変化が見られない…食べ物は関係なく、アトピー性皮膚炎と診断
①、②の結果の場合は「食物が関係ある」という結果になりましたので、次にタンパク源の厳選をして、食物アレルギーが発症しないフードを選びます。
除去食試験の期間を教えて!一生食べ続けるの?
除去食試験の期間について
除去食試験は「試験」と表現することから試験期間が設定されています。
試験期間:約8週間(犬の皮膚の生まれかわる周期が約21日になり、その2回分の42日間を設定する)
除去食試験後は結果に従い、次のフードに移行する流れになります。
食物アレルギーは治るものではありません
しかし、症状を抑える事で健康のわんちゃんやねこちゃんと変わらない生活が出来ます!
その為には低アレルギーフードは一生食べ続ける事が原則です…
その部分だけ頑張っていきましょう♪
おやつは良いの?
除去食試験の際は「たんぱく質」をなるべく少なくして行う試験になるので、おやつ類は原則禁止です。
例えば「アミノ酸食」で除去食試験をしているのに、おやつを食べているせいで「アミノ酸食」にほかのタンパク源が混ざってくるので意味がなくなります。
かわいそうですが、ペットオーナーはこの試験中は我慢で乗り越えて下さい。
除去食試験が終わって、食物アレルギーのタンパク源が厳選できればおやつもOKです。
食物アレルギー用おすすめフード
【ロイヤルカナン】
①犬猫用:アミノペプチドフォーミュラ
タンパク質をアミノ酸レベルまで分解しているペットフード。
アレルギーの疑いがあるなら最初に食べさせたい1品。
ロイヤルカナンはこの製品に他のタンパク源が混ざらないよう、アミノペプチドフォーミュラ専用の工場を作っているほどである。
他のペットフードより高額で悩むところだが、他のメーカーがマネできないことを実現している「技術料」に対して払っていると考えても良いかもしれない。
是非試してください♪
②【ロイヤルカナン】セレクトプロテイン カンガルー&オーツ
カンガルーの肉って食べた事ありますか?
オーストラリアに住んでいる人は食べた事あるかもしれませんが、基本的に日本の食卓に並ぶことは少ないはずです。
新奇タンパク源というなら間違いなく「カンガルー」がおすすめです。
日本に住んでいるワンちゃんで、カンガルーのアレルギーをもっている症例を私は見たことがありません。
是非、試してみて下さい。
本記事を読んで、食物アレルギー用フードについては理解して頂きましたか?
食物アレルギーは治るものではなく、一生付き合っていく症状ですが・・・
その結果に落ち込むことはありません!!
アレルギーの食べ物を断定して、それを食べなければ発症しないんです!
そうなれば健康なワンちゃんと変わりません!
かゆみが気になるペットオーナーは一度、獣医師に相談してみましょう!
かゆみのない生活にワンちゃん・ねこちゃんを招待しましょう♪